2025-01-01から1年間の記事一覧

あれはまさに

あれはまさに #souyakuAC2025 Kymera社のCDK2 degraderおよびBMS社のBCL6 degraderの創製。それぞれ学びになる検討内容だが、共通して注目したいのは、標的タンパク質とCRBNがタンパク質間相互作用を形成している点。以前にアステラスのKras degraderの記事…

いともたやすく行われるえげつない行為

いともたやすく行われるえげつない行為 #souyakuAC2025 たやさん (taxyach)の12/6の記事『p53の薬をつくる』のp53 Y220C Stabilizerの作用機序が非常に面白く、もしかしたらメドケムのテクとしてパターン化できないかなと思って他の事例も調べてみたが・・・…

勝つ道はあるか

勝つ道はあるか #souyakuAC2025 (調査内容に間違い・不足があれば教えてください。) ファーストインクラスになれずとも差別化で売上を狙えるだろうか。以前は結合様式や物性、消失経路、選択性のようなメドケムのアプローチで確保していたが、最近は適応追…

故きを温ねて

故きを温ねて #souyakuAC2025 エリスロマイシンをはじめとするマクロライドは、抗菌作用に加えて多様な薬理作用が古くから知られている。大正製薬や北里大学はその抗炎症作用に着目し、Eloxx社や山口大学はRNA標的低分子創薬に適用した。加えて、マクロライ…

活性はcisがきめる

活性はcisがきめる #souyakuAC2025 ”安定配座”と”活性配座”を揃えることが活性に重要、と今までに何度も紹介してきたが、今回も同じ。第一三共やPfizerの"マジックメチル"や、リバプール大学の"マジック窒素"、それそれ配座を制限することで活性を大きく向上…

モルホリンの役目

モルホリンの役目 低分子創薬において、モルホリンは適度な塩基性を持つため物性調節などに有用である。今回、核酸医薬(siRNA)において、AlnylamやSanofiはモルホリンを立体障害やリンカーとして利用することでKD活性や持続性、代謝安定性を改善させた。注…

正しい配座

正しい配座 Pfizerの2種類のCCR6アロステリック拮抗薬。SQA1およびOXM1,2はそれぞれ細胞膜の内側または外側の異なるアロステリック部位に結合している。注目したいのは、OXM1のクロロベンゼンのクロロ基を無くしただけで活性が消失した点。おそらく安定配座…

ペプチド医薬の低分子化…ではない?part2

ペプチド医薬の低分子化…ではない?part2 3年前の記事『ペプチド医薬の低分子化…ではない?part1』の続き。 https://azarashi-panda.hatenablog.com/entry/2023/01/02/082956 中外製薬が創出し、Eli Lillyに導出した Orforglipron (LY3502970/OWL833) は、2…

縮環を制する者は

縮環を制する者は Chordia社(元)のCLK2阻害剤Rogocekib (CTX-712) 創出の経緯。注目したい点は2つの縮環の変換。特にヒンジ部位と作用するジアザインドールの変換において、ヒンジ領域での相互作用を少し抑えて、他の部分の相互作用で確保することで、キナー…

化合物はそえるだけ

化合物はそえるだけ アステラスのKRAS(G12D)分解誘導薬ASP3082創出の経緯。注目したいのはKRAS(G12D)-VHLとの三者複合体 X線結晶構造解析において、KRAS(G12D)とVHLがタンパク質間相互作用を形成しているところ。すべてでは無いにしろ、もしかしたら化合物は…

シンプルがいい

シンプルがいい 協和キリンはsiRNAにDDSとして葉酸をコンジュゲートさせるだけでなく、エンドサイトーシス後のエンドソームからの脱出にpH感受性膜融合性ペプチドもコンジュゲートさせることで細胞内移行性を挙げてKnock Down(KD)活性を向上させた。しかし検…

メドケムの可能性

メドケムの可能性 本ブログを始めて早4年。初めて書いた記事『低分子で持続的放出(長期作用)』について追加情報を加えて大幅に改訂、と言うかタイトルを新たに作り直しました。 元記事:https://azarashi-panda.hatenablog.com/entry/2021/12/11/101545 Gi…

理解をこえる

理解をこえる Nurix社の中枢移行性BTK分解剤NX-5948は、MDCK-MDR1評価で低い膜透過性と高いEfflux ratioを示すも、中枢移行性を持ち、中枢疾患モデルや患者に薬効を発揮した。開示情報から原因は特定できないが、トランスポーターやトランスサイトーシスによ…

いいとこ取りの双生イオン

いいとこ取りの双生イオン Novartis社による非共有結合性WRN阻害剤HRO761の創出。分子量702と大きいがヒドロキシピリミジン部分が双生イオンとなり脂溶性を下げつつ良好な細胞膜透過性を有しているようだ。PROTACなど中分子創薬に汎用的に適用できるだろうか…

そばに隠れる

そばに隠れる アストラゼネカ社による中枢移行性PARP1阻害剤AZD9574創出の経緯。前回紹介したGalapagos社に続いて窒素ホッピングが大きな変化をもたらした事例。今回は窒素を移動させることでMDCK細胞におけるeffluxが大幅改善。立体障害や塩基性の影響か・…

微差は大差

微差は大差 Galapagos社によるTYK2選択的阻害剤GLPG3667創出の経緯。イミダゾピリジン骨格の窒素の位置を変えるとJAK1/TYK2選択性が大幅改善。シアノ基の位置がズレたことが原因と考察。C-C結合長およびC-N結合長の微差が大きな差につながった・・・? 彼ら…

結合の間合い

結合の間合い Servier社によるKEAP1阻害剤の報告。2-スルホニルチアゾールがwarheadとしてKEAP1のCys151残基と共有結合を形成する。3,000以上のオフターゲットタンパク質を評価して2つしか結合しなかった高選択性を持つが、これはwarheadの反応性が低く、複…

小さくても大きい

小さくても大きい Mersana社によるSTING作動薬をペイロードとしたAntibody-Drug Conjugate (ADC)の報告。ペイロードのcLogPを下げるとin vivo薬効改善、リンカーを分岐させてグルカミンを追加するとin vivo PK改善。ADC全体からすれば分子量の割合は大きくな…