分布容積
古い論文ですがPfizer社による分布容積VdのPerspective。Vdは、半減期や投与頻度の要因となる重要な動態パラメータである。塩基性化合物は大きくなり酸性化合物は小さくなる。疎水性の影響も受けるが、中外の環状ペプチドLUNA18は疎水性アミノ酸で構成されており非常に高いcLogPにもかかわらず、Vssはそこそこ(0.96~2.6 L/kg)しかない。
中分子クラスになると分子サイズの影響も受けるのか。
聖文字は“M”

分布容積は化合物の組織への移行性を示す指標です。
あくまで目安ですが以下のイメージと思います。

Volume of Distribution in Drug Design
J. Med. Chem. 2015, 58, 5691–5698.
https://doi.org/10.1021/acs.jmedchem.5b00201.
- 分布容積Vd (volume of distribution)は、中心コンパートメントの分布容積 や定常状態の分布容積、終末相の分布容積があるが、一般的に定常状態の分布容積Vssが使用される。
- Vssは血漿中フリー体率に依存するため、タンパク結合率が高いとVssは低くなる。
- Vssの最も大きな決定要因は酸性/塩基性である。細胞のリン脂質膜との相互作用に影響する。




J. Med. Chem. 2018, 61, 6501–6517.
https://doi.org/10.1021/acs.jmedchem.8b00741.

J. Am. Chem. Soc. 2023, 145, 24035–24051.
https://doi.org/10.1021/jacs.3c07145.
- 中外製薬の環状ペプチドLUNA18は疎水性アミノ酸で構成されているためcLogPが非常に高いにもかかわらず、マウスやラットやイヌ、サルにおけるVssはそこそこ(0.96~6 L/kg)しかなかった。
- 中分子クラスになると分子サイズの影響も受けるのか。

そもそも塩基性化合物のVdが高くなる要因が、リン脂質膜の負電荷との相互作用という細胞膜透過ペプチド (cell-penetrating peptide, CPP)のポリアルギニンと同様の理由なので、細胞膜透過性も影響あるのだろう。そして塩基性アミノ酸を中外さんの環状ペプチドに組み込んだらVdは上がるだろうか。
いやぁ、メドケムって本当にいいものですね。